音楽ワークショップ
東京音楽大学で、音楽ワークショップ特別セミナーに参加してきました。
音楽ワークショップには、以前にも体験をしたことがあったのですが、今回はワークショップをプログラムして、お子様達に参加していただくという実践的なセミナーでした。
音楽を使用したワークショップとはどのようなものか、なかなか想像ができないかもしれません。
音楽といってもクラシック音楽や既存の音楽を活用するわけではなく、本当に基本的な「音」を使ってコミュニケーションをするというものです。
打楽器や鍵盤楽器・鍵盤打楽器、リコーダーや管楽器、ボディパーカッション、歌など音を発するものを使って作品を作り上げていきます。
個人のアイデアやモチーフ(サンプリングしたものなど)を基軸にして、音・パターンの組み合わせなどにより、より大きな作品を作り上げます。その過程を通して、互いの認知や協調、自己開示、情報共有の仕方などを理解していくものと私は捉えています。
個から全体へ
今回参加して気がついたのは、レゴシリアスプレイとの共通性です。
- 必ず音楽をする環境を整えることから(スキルビルディング)
- まずは個人から
- 個人のモチーフ(作品)を必ず大切にすること
- 音・音楽・パターンをメタファーとして捉えることができるということ
- そして個のモチーフ(作品)を合わせる時には、そのコアを大切にすること
レゴシリアスプレイで、合意形成をする時には共通項を探ることはせず、すべての作品を等価に配置していく。
それと同様にできる限り個々の音楽をあわせていく。
参加者全体のパターン(作品)を全体として承認しつつ、新たな作品にあわせていくという作業は、お互いを認め合う大きな力になると感じました。
音を楽しむ
楽譜を書く必要はありません。
感じるままに音を紡ぎ、作品を作っていきます。
というわけで、その人の音楽の経験値に合わせて、モチーフを作れば良いのです。音楽の経験値が高い人に和音を任せれば良いのです。
音楽が不得意と感じている人は、簡単に「パンパンパン」と手を三つ叩いて一つのモチーフとしても良いわけです。
モチーフをパターンにして、さらに他の人のパターンと合わせて作品を拡張していくようなイメージです。
一人では「パンパンパン」だったものが、他の楽器の音や歌などと合わさってさらに大きなストーリーに変化していきます。
音楽のアンサンブルの楽しみを知っている方は、容易に想像ができるかもしれません。セッションの楽しさを知っている方も想像ができるかもしれません。合わさって作品にと発展する楽しみを体感することにより、組織の中での自分の役割を感じ取ることができるかもしれません。またチームワークがさらに強固になっていくかもしれません。
improvisation
即興性を高める。
私たちは、常日頃からコミュニケーションの手法を探しています。組織の中でお互いを認め合うことは、言語活動だけでは成し遂げられないと言えるでしょう。
ビジネスの場面であっても、突発的な事態に対してすばやい判断と適切なアイデアとそれを実行する力が必要になるでしょう。同じチームの中などで、存分に自分自身のアイデアや力を発揮するためには、それを即興的に作り上げる力が必要になってくると考えられます。
それを実体験する場としてもこのワークショップはとても有効的であると考えられます。
アイデアで演奏してもそれを受け入れられる環境であるということを共有し、安全かつ安心して自分自身の力を発揮できる環境であるということを、お互いに体感することができれば、さらに組織の活動する力がUPしていくのではないかと考えます。