気になる敬語
「お電話ありがとうございます」
気になる敬語というカテゴリとはちょっとずれてしまうのかもしれませんが・・・
電話応対用語としてオープニングトークの定番どころ「お電話ありがとうございます」が気になります。。。
電話応対の研修などをするときに必ず受講する方に尋ねる様にしています。
なぜ「お電話ありがとうございます」と伝えるのか?
とたずねると・・・だいたい
「感謝の気持ちを伝えるため」
という回答が返ってきます。
感謝の気持ちを伝える・・・確かに「ありがとうございます」とお伝えしていますよね。
では、なぜ感謝の気持ちを伝えるのに、省略した文章をお伝えするのでしょうか。
「お電話ありがとうございます」これは省略した言葉ですよね!?
本当ならば・・・
「お電話をいただきまして誠にありがとうございます」ではないでしょうか。
略語は失礼
接客業において、お客様にお伝えする言葉は省略した言葉は失礼!と教わったものです。
「代引き」は「代金引換」
「Eパレ」は「エレクトリカルパレード」
固有名詞や店舗名など特に先様の情報については必ず省略せずにお伝えすることが良いとされてきました。
ではなぜ、サービス業でお客様応対を一生懸命気にしているコールセンターが、このような言葉を使うようになったのでしょうか。。。
コスト削減
コールセンターの最大の敵はコストです。
人件費、インフラ費、設備にかかる費用など生産性とのバランスがとても問われるセクションです。
つまり冒頭の挨拶の部分でこの数秒(2秒くらいかな)を節約するために、文章を省略することが始まったのではないかと考えています。
2秒ずつカットしたとして、10,000本の電話が入ってくるとすると20,000秒
20,000秒 = 5.6時間
約5時間半くらいの時間を節約することができるのです。
意外と大きい時間ですよね。特に入電数の多い受注センタなどは値が大きくなっていくと思います。
というわけで、「お電話ありがとうございます」をなぜ使うのか・・・
「コスト削減のため」これが答えではないでしょうか。
では、特にコールセンターのように入電数が多く無く、お客様との時間(コスト)にそれほどのフォーカスがあたらないのであれば、しっかりとご挨拶なさった方が良いのではないかと考えます。
ホテルなどのちょっと上のサービスを提供する方々が、気にせずこの言葉を使っているとちょっと気になってしまいます。
コールセンターとはちょっと違うサービスを提供しているみなさま!今一度、聞き慣れた言葉を選択していませんか?
でもね。すぐにお客様の用件を伺うために、頭の挨拶を短くお伝えしているということも大切なんですよ。相手の時間を使うということは、相手の命を削ること、お互い命削って時間削って応対をしているんですものね。
まずは「なぜ」その言葉を使うのか・・・ぜひ振り返ってみてください。
2019/07/11加筆