左上位 右上位 雛飾り
今年も早いもので、桃の節句も近くなってきました。
私はどうもこれがしっくりこなくて…雛飾りの違和感ですな。
ご存知の方も多いと思うのですが、男雛と女雛だけが国際儀礼に則って右上位で飾り、それより下の段からは日本礼法の左上位で飾る。
日本のビジネスマナーと一緒で、国際儀礼と日本礼法がMIXで扱われてるということです。
↑ つまりこういうことですね!
まあ長州明治の時に「天皇家が日本の国際化に伴って先んじて国際儀礼を取り入れた」から、天皇皇后を模した男雛と女雛が国際儀礼で飾られるようになった…と言われています。
ほほうそういうことかとなるほど~とおっしゃる方が多いのですが…
なぜ上位2名だけが国際儀礼なのでしょうか。
なぜ伴ってその下のメンバーも国際儀礼に法らなかったのでしょうか。
…恐らく調べてもトンデモ話しか出てこなそうなのですが、ちょっと不思議じゃありませんか?
普通、上位職が世界の流れにあわせてこうするね!でも部下の皆さんはそのままでいいからって事にはならんでしょう。
左上位
「天帝は北辰に座して南面す」もともとは中国から伝わってきた左上位と言われてます。天帝は北辰(北極星)の位置から南を向いて座っている。安定した王朝存続を祈念した言葉ですね。北の方角に帝がいるので、太陽は左手側、東からのぼり右手側の西に沈みます。よって東は「生」のポジションで上位となるわけです。
日本に伝わってきてその風習が残り、実際中国は文化大革命の時に国際儀礼に変わってしまったようですが。。。つまりこの風習が残っているのは日本だけ?のようですね。
上のレゴ雛は、男雛が向かって左側にありますよね。
これはつまり右上位で飾られているということです。
東京に天皇陛下が移られたことにより、東京エリアからこの飾り方になっていったということ。いわゆる忖度ということでしょう。
関西方面の雛飾りは、今でも左上位で飾られているとのこと。
やっぱり関西はいろんな意味で昔がしっかり生きているという感じがしますね。
三人官女
三人官女にも序列があるのをご存知でしょうか?
偉い方から順に
センター:年長者でご結婚なさっている方で「三方、盃」を持っている
向って右:盃にお酒(白酒)を注ぐための「長柄」を持っている
向って左:長柄にお酒を足す「提子ひさげ」を持っている
センターの方は、ご結婚なさっているので眉毛を剃ってお歯黒をなさってるんですよ。
お顔をしっかり拝見させてもらってくださいw
左上位の原理もあるのですが、センターが一番ということもあります。
五人囃子
少年音楽隊ですね。
向って右側から
謡:うたい 扇子を持っている少年 うたっちゃいます
笛:ふえ 横笛です。いわゆる旋律
小鼓:こつづみ こづつみではありません。つづみですw
大鼓:おおつづみ 肩に背負わないつづみです
太鼓:たいこ 拍を取る要ですね。とはいえ締め太鼓程度の低い音ですね。
ここに左上位の原理が働いているのかどうかはわかりませんが…。
基本の楽隊の並びですねw
雅楽の場合もあるようですね。その場合は7種類の楽器ということでしょうか。
Guardian 左大臣 右大臣
向って右から
左大臣:ヒゲのおじいさん 中将
右大臣:色男 少将
ということで、偉い方が向かって右側にいらっしゃるわけです。
なので「彼の右に出るものはいない」ということになるのですね。
おまけに左に移動することを「左遷」降格するってことですね。
仕丁
家のことをしてくれる無報酬の用務の方々
向かって右から…
ほうき:わらってる?
ちりとり:おこってる?
くまで:泣いている?
向かって右端に、桜の木
向かって左端に、橘の木 常緑樹…永遠を願う
国際儀礼
国際儀礼の通りにかざるのであれば、三人官女以下の段も全て逆に飾っていく必要があるのでしょう。
ただし、「五人囃子を除く?」
これは個人的なコメントなのですが、天皇家に忖度して上の二人だけを変更したという東京の人形屋さん。どうもこの状況で良いのかちょっとお考えになった方が良いのでは無いかと思うのです。
前にも書きましたが、偉い人だけ別にする。これって本当の忖度なんでしょうか。
それとも、何らかの違いを明らかにするための意思表示なのでしょうか。
ちょっとわかりませんけどね。
皆様はどのように飾りますか。