「つまらないものですが」
私がマナーや礼儀の話をするときに、必ずするお話しがあります。それは、物事には必ず裏がある!ということ。
必ず「なぜ?」ということが隠れています。
マナーや礼儀が相手に対する思いやりの気持ちが外にあらわれでたものなのであるならば、必ず内に秘めた想いがあると言うことです。
講義をするときに、「つまらないものですが…と言って贈り物をお渡してもよいのですか?」という質問をします。
マナー本などを拝見するとつまらないものと伝えて渡すのは失礼!と書いてあるものが多いですね。こんなときには「心ばかりのものですが…」と渡しなさいと。
では、なぜこんな言葉がいままで使われてきたのでしょうか。
心の動き
人に贈り物をするときは、どのような心・感情があるのでしょうか。相手の顔やご家族の方の姿様子などを思い起こして品物を選ぶのではないでしょうか。相手の方が喜んでくださる姿やご家族の笑顔などなど。いろいろ想像、妄想しますよね!
これならきっと喜んでくれるかも知れない!
そんな品物を見つけて、用意して相手の方にお持ちします。
相手の方にお会いしてお渡しするときに、その方がとても素晴らしい方なので、私の用意した贈り物がなんだかつまらないものに思えてしまいます…とお渡しするものだとしたらいかがでしょうか。
自分の用意したモノを指し示すのではなく、相手の方が素晴らしい方なのだ…ということをお伝えする表現だとしたら…。
いま世の中は全てわかりやすい方向へと進んで行っているように思います。相手に対しての気持ち、想いをダイレクトに伝えることが発展への近道!そんな動きになっているような気がします。
相手への想いを練る事をやめたときに、なんだか人と人とのつながりが逆に希薄になっていくような印象があるのは、私の思い過ごしでしょうか。
何がよいことなのかは分かりませんが、マナー礼儀には裏に隠された想いがあることをぜひ忘れずにしていきたいものです。
言葉を受け取る方も
とはいえ、こんな裏の話を知らない方につまらないものですが…とお伝えしたときに失礼なヤツだ!と思われてしまうかも知れません。相手の方がどんな方なのか、まずはそこをよく知ることも大切なんでしょうね。